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knowledge centered support (KCS)とは、どうして関係があるのか

私の父のすることはどう見てもおかしい。彼は道順を知るのにナビゲーション システムや Google マップをいまだに使おうとしません。その代わりに、行き先があるだろうと思う場所の目星をつけて、大体の方角に車を向け、そしてあちこちさまようのです。その結果はどうかというと、父は必ず他の誰よりも 15 分遅れて到着します。

馬鹿げてますよね。GPS を使えば、一番早く着けるルートがすぐに見つかるし、所要時間も確認できて、交通量の多い場所を避けるヒントさえ手に入ります。他のユーザーが不正確なルートや交通の妨げとなる工事、警察の速度違反取り締まりさえも報告して、マップの状態を常に改善することもできます。しかし、父はこのメリットをまったく利用していません。

何の話をしているかおわかりですか。父の行動は、ナレッジセンターを活用したサポートを採用していない技術サポートやカスタマー サポート組織のやり方に少し似ているのです。父は新しい行き先があるたびに、初めてそこへ運転していく人のように行動し、それまでに何百万人もの他のドライバー(それに、地図の製作者や技術者)が共同で集めた知識を活用しようとしません。

お父さん、恥ずかしい思いはもう十分だよね。クロスワードとあの実に奇妙な芝生エアレーション用のスパイク靴のことは何も言わないから、まわりのみんなのために、思いきってナレッジセンターを活用したサポートの世界に飛び込んでみてほしい。まずはその意味を正確に知るところから始めないとね。

ナレッジセンターを活用したサポートとは何か

簡単に言えば、ナレッジセンターを活用したサポート(KCS)とは、課題を解決する(そして今後の課題の発生を防ぐ)過程の重要な部分として、組織に集積した共有のナレッジを利用することです。ナレッジセンターを活用したサポートを採用した場合、次のようなことをサポートチームに働きかけることになります。

課題の解決方法を記録するコンテンツの作成

需要や使用事例をもとにしたコンテンツの更新と展開

利用を簡単にするための、ナレッジベースのコンテンツ公開

ナレッジの学習、共同、共有、改善による相互のメリット享受

原則的に、エージェントは課題を扱うたびに、まずナレッジベースを参照して、修正方法が既に記録されていないか確認します。記録されている場合は、記事の内容にしたがって作業します。(手順が変更になっている場合は更新します)。記録されていない場合は、エージェントは適切なプロセスをへて課題をトラブルシュートし、解決したあと、修正内容を正確に記録する新しいナレッジベースを作成します。

最終的には、共有とコラボレーションを職場の中心に据えた文化を構築し、組織とその事業は大きく蓄積されたメリットを享受することになります。

3Com、オラクル、Novell、HP のような非常に大規模な、成功した企業は、ナレッジセンターを活用したサポートの背景にあるアイデアやプロセスを開発し、試験するために巨額の現金を投じていて、そうした方法論は HDI(ヘルプデスク協会)によって広く支持されています。ここアトラシアンでも、多くの人が KCS を支持し、実践しています。

なぜナレッジセンターを活用したサポートを採用するのか

よく聞いていただきました。メリットは広範にわたります。順不同になりますが、ナレッジセンターを活用したサポートを利用するチームには次のようなメリットがあります。

作業が速くなる。対応が素早くなり、複雑な課題を迅速に解決します。チームのアナリストがたいていの課題に対する答えを簡単に見つけ、自身の提案や経験によって継続的に情報更新をしているのであれば、ゼロから始めて解決する必要はほとんどなくなります。記事を書き、更新するのに要する時間は一時的な投資であり、その投資に対する見返りは非常に大きいものです。チームのメンバーの力量アップや複数の技能取得をサポートしていたり、増え続ける作業量を取扱っていたり、十分時間が経過した後に再発するために、当初の解決方法を忘れている可能性がある課題が発生したりする場合は、特に投資の見返りが大きくなります。

一貫性が高くなる。繰り返される質問に対する答えをフォーマット化することができます。アナリストがそれぞれ同じ方法で課題を処理していれば、より一貫性のあるカスタマー エクスペリエンスを提供できるだけでなく、改善が必要な重要な領域を見つけやすくなります。

カスタマー エクスペリエンスが向上する。さらに、顧客とのやりとりから学び、共有することが可能となります。顧客は迅速な解決、一貫性のあるエクスペリエンス、自分を安心させてくれる(すなわち、警戒する必要がない)自信に満ちた知識豊かな社員を求めています。

真の意味のセルフサービスが可能となる。エンドユーザーが自分で解決するために必要なナレッジを共有することによって、セルフサービスが現実に機能します。数多くの企業が重要なナレッジベースの記事を公開することにより、エンドユーザーが課題を自分で解決できるようになり、サポート費用が大幅に減少しています。

楽しく自信を持って作業ができる。社員の満足度や職残存率に及ぼすメリットを考慮するなら、上記の 1 番から 4 番のメリットは KCS を採用する十分な理由にはなりません。次のセクションで確実な統計的証拠を示しますが、ナレッジセンターを活用したサポートは、従業員の離職率を減らし、仕事の満足度を高めることが証明されています。離職率と満足度のどちらも、今日の企業で使われている慎重に精査された指標であり、最終的な収益に直接影響を与える可能性があります。

なぜチームはナレッジセンターを活用したサポートを採用しないのか

David Kay が "駄目な知識共有文化とはどのようなものか" と題した投稿で、このことを指摘しています。ナレッジの共有が理にかなっているかどうかはほとんど問題ではありません。(私は声高に KCS を否定する人たちに出会ったことがまだありません。)そうではなく、チームは David が "緊急性と戦術へのこだわり" と呼ぶものから抜け出すことを難しくしている文化的な試練に直面することが多いのです。

一般的に、IT 管理者は現在のプロセス(効果がない可能性あり)を使用してその場しのぎの仕事をするのに忙しすぎて、もっと戦略的な何かに集中して取り組むことができません。特に、IT 管理者やアナリストが多数の SLA やパフォーマンスの目標をクリアしようとして、すでに身動きがとれない気分になっている時に、こうしたコンテンツをすべて作成するのは困難なことであり、時間がかかることだと思われます。彼らの報酬もこうした数値目標と結びつけられていることがよくあります。

では、キャリア志向の(計算高くもある)IT プロフェッショナルにとって、すでにいっぱいになっている優先度リストにナレッジ マネジメントを追加する必要があるのはなぜでしょうか。それはメリットがコストをはるかに上回るためです。アトラシアン サミットで、 John Custy はナレッジセンターを活用したサポートを採用する根拠となる、非常に強力な数字を挙げました。

50 ~ 60% 解決に要する時間の短縮

30 ~ 50% 初回解決率の増加

70% 新人アナリストが習熟に要する時間の縮減

20 ~ 35% 社員の職残存率の向上

20 ~ 40% 従業員満足度の向上

10% (根本原因の除去による)課題の減少

主要なパフォーマンス統計から数秒を削減できることを期待するような IT の世界で、このような成果を得られるものが他にあるでしょうか。誰か?誰か知ってる人は?みんな、どう? Bueller 君は?

ナレッジセンターを活用したサポートを効果的に実践するのは、確かにかなりの努力が必要です。しかし、一番手間がかかるのは技術の導入ではなく、コンテンツの作成でさえありません。コンテンツは初日から徐々に作成できます。おそらく最も大きな障害となるのは、単純なことながら、サポートチームに "緊急性と戦術へのこだわり" を持つことを促すような後手後手の組織から、リーダーとアナリストがそろって戦略的思考とコラボレーションと実行を働きかけるような組織に文化的な移行を行うことです。加えて、それに応じた形で IT チームのパフォーマンスを評価する方法を調整することです。

次のステップ

自分のチームにナレッジセンターを活用したサポートを取り入れることを計画するにあたって、KCS の精神を受け入れ、この方法論を展開した他の組織の経験から学ぶことは、非常に理にかなったことです。下にお勧めの内容をいくつかリンクしているので、そこから始めて、KCS の道のりがどこに向かっているか確認してください。

また、ここにあげた素晴らしい顧客の実践事例を必ず調べてみてください。この事例には、KCS が真の価値をごく短期間で実現するのにどれほど役立つかが示されています。サービスの需要は急増し、予算はわずかに伸びるだけという状況が続く中で、小規模な IT 企業のマネージャーが実現したいと願うような投資がまさにこれです。

著者について

Jeremy Largman

ナレッジの導師、アトラシアン社

サポートチームで成長し、昇進の道を歩んできた私は、ナレッジベース記事の作成に関わるチームの努力を擁護するものであり、解決策を魔法のごとく自動的に探り出す Hercules という名前のロボットを発明しました。現在、アトラシアン内のナレッジ マネジメント イニシアチブの運営と、コミュニティサイト、answers.atlassian.com の運営に携わっています。以前、聴衆で満員の部屋で面白情報を尋ねられたときに、「地球上で一番重量が重い動物はアリなんです」と答えたのですが、実は "面白情報" とはそういうことではなかったのです。まあ、いっか。Twitter で私を見つけてください! @j_large

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